embrace the conflict -- 葛藤を楽しもうをあらためてじっくり読みました。「ソフトウェア業界の4つの領域」の定義に非常に感銘を受けました。

ひとつめはメインフレーム文化。規律主義。汎用機(大型コンピュータ)は非常にクリティカルな業務を多くの人間が組織として開発する。たくさん人を集めればコンピュータに向かない人も嫌いな人も混じる。従って規律に従うことと、担当分野を明確に分けることが重視される。

次はUNIX文化。実用主義。コンピュータのハード性能が相対的に低いので、創意工夫と積極的、意識的なトレードオフが重要。100%は求めず、職人技で80%の仕事をこなすことを重視し、20%を切り落とすセンスを追及する。

次はパソコン文化。刹那主義。パソコンは一人が占有して使うことが特色で、失敗しても他人に迷惑をかけない所が他のシステムと違う。そのため、根本に「とにかく動けばよい」という発想があり、準備したり勉強したりせずに誰にでも使えることが重要とされる。

最後がこのようなハードの発達とは離れた所で発生した学者文化。理論主義。ものごとの根本を考えて、ひとつの発想でできるだけ多くの領域をカバーしようとする。実用性より整合性を重視する。